チャイロスズメバチに刺されたら
チャイロスズメバチに刺されたら、10分くらいで心肺が停止したというケースがあるほど、蜂毒が強い毒をもっています。
ですから、応急処置だけでなく、即、救急車を呼ぶか最寄りの医療機関で受診することが必要となります。
チャイロスズメバチに刺されたときの症状としては、激しい痛みを伴います。痛みだけでなく以下のように症状があらわれたときには要注意です。
●めまい
●息苦しさ
●じんましん
●嘔吐
●血圧低下
●意識がもうろうとする
●アナフィラキシーショック
軽いめまいやじんましんで済むときには、応急処置で済むと思いがちですが、安全を考えても病院で診てもらうなどの適切な処置をしてください。
ですが、「意識がもうろうとする」や「息苦しさ」といった症状がある場合には、アナフィラキシーショックを引き起こしている可能性が高く10分程度で心肺停止に陥ることもあるので即救急車を呼ぶのが最善です。とくに、ハチの毒にアレルギーを持っている人が刺されてしまうとアナフィラキシーショックを起こしてしまう確率が非常に高いです。
刺されたときの応急処置としては、一度刺したら針が抜けるミツバチと異なり、チャイロスズメバチなどの蜂の針は抜けません。そのため何度も毒針で攻撃してくるのが特徴となっています。
チャイロスズメバチの毒被害を最小に抑えるためには、その場からゆっくり離れます。その場から離れたあとで応急処置をおこないましょう。
応急処置としては、以下の手順をご紹介しておきます。あらかじめ、キャンプなどアウトドアで刺されてしまうことありますので、ポイズンリムーバーやピンセットを携帯しておくと安心です。
針が刺さっている場合には、ピンセットや指を使ってゆっくり抜き毒を絞り出します。ポイズンリムーバーあるいは指や爪を使うとよいでしょう。冷たい水で毒を洗い流します。
チャイロスズメバチに刺されたときには特に激しい痛みを感じるので痛みを緩和するだけで少し気が楽になります。
患部にステロイド軟膏やヒスタミン剤を塗ったり保冷剤などを当てるといいでしょう。冷やしたりすることで血管が収縮して腫れや痛みを抑える効果があります。
年配の方でしたらアンモニアが効き目があるということで「傷口に尿水をかける」という伝えられてきた民間療法ですが、かえって細菌が傷口に入る可能性があるので、これは間違った対処法ですから理解しておきましょう。
チャイロスズメバチを見かけたら
チャイロスズメバチを見かけた場合は、積極的に近づかず、その場を離れることをおすすめします。また、巣がある場合は、近づかないように注意してください。蜂に刺されないためにも、素肌での外出は避け、軽い色合いの服装や長袖・長ズボンなどを着用することをおすすめします。万が一、チャイロスズメバチに刺された場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
駆除方法
蜂の駆除には、専門の業者に依頼するのが一般的です。業者によって使用する駆除方法は異なりますが、主な方法としては以下のものがあります。
●駆除剤を散布する方法
殺虫剤を蜂の巣に直接散布して蜂を駆除する方法です。
蜂がいなくなった後、巣を取り除くことが必要です。
●煙をかける方法
煙をかけることで、蜂の巣の中の蜂を鎮静化させ、駆除する方法です。
蜂が巣の中にいない場合には、効果がないことがあります。
●ハチを吸い取る方法
専用の機械で、蜂を吸い取る方法です。
巣の中にいる蜂も吸い取ることができるため、再発のリスクが低いとされています。
なお、自分で蜂を駆除しようとすることは非常に危険ですので、絶対に行わないようにしましょう。
チャイロスズメバチに刺されてアナフラキシーショックを起こす可能性と治療方法
チャイロスズメバチ(Asian giant hornet)に刺されると、アナフラキシーショックを起こす可能性があります。アナフラキシーショックは、過敏な免疫反応によって引き起こされる重篤なアレルギー反応の一種であり、生命を脅かすことがあります。
チャイロスズメバチの毒は非常に強力で、刺された場合には以下のような症状が現れることがあります:
・激しい痛みや炎症
・腫れや発赤
・発熱
・嘔吐や下痢
・呼吸困難
・けいれんや意識喪失
アナフラキシーショックを起こす可能性がある場合、早急な治療が必要です。以下に一般的な治療方法を示しますが、症状の重さや個人の状況によって異なる場合がありますので、医師や救急医療の専門家の指示に従ってください:
・エピペンの使用: アナフラキーショックの治療にはエピネフリン(アドレナリン)が一般的に使用されます。エピペンなどの自己注射器を使用してエピネフリンを投与し、症状を緩和します。エピペンは事前に医師と相談し、適切に使用する必要があります。
・呼吸補助: 呼吸困難がある場合は、酸素供給や人工呼吸の支援が行われることがあります。
・抗ヒスタミン薬やステロイド薬の投与: アレルギー反応を抑制するために、抗ヒスタミン薬やステロイド薬が投与される場合があります。
・経口抗アレルギー薬の処方: アナフラキシーショックの治療後、症状の再発を防ぐために経口抗アレルギー薬が処方されることがあります。
チャイロスズメバチに刺された場合、速やかに医療専門家に相談し、適切な治療を受けることが重要です。また、刺された後は安静にし、症状の変化を注意深く観察し必要であれば早期の医師診察と治療をしてください。