黄色と黒の目立つ縞模様について

多くのハチが黄色と黒の縞模様で非常によく目立つ色をしているのはなぜでか考えてみましょう。<br>
体の小さな昆虫が鳥などの捕食者から身を守る方法が大きくわけて２つあります。一つは、周囲の風景に溶け込んで目立たなくして敵を欺く方法です。例えば、アゲハの幼虫は，小さいときは鳥の糞と同じ色をしていて鳥からの捕食を免れていますが，大きくなるについれて、今度は葉と同じ緑色に体の色を変えて見つかりにく変色していきます。この色の変化で捕食を免れる防衛で進化していることがわかっています。<br>
もう一つの方法がハチなどの危険な虫に色や形を似せて敵を欺く方法からです。<br>
スズメバチやアシナガバチは，警告色といって黄色と黒の目立つ色で個体が危険な虫であることを強調して捕食者から身を守っています。スズメバチやアシナガバチなどの種類は異なっていて皆同じような色彩をしているのはそのためからです。<br>
このように毒のあるもの同士が似た形や色彩をしていることを「ミューラー型の擬態」といっています。<br>
カミキリムシや蛾，アブの仲間にもハチそっくりな種族が多数いて，ハチに似ることで捕食を免れているとが考えられています．このように毒のない虫が毒の有る虫に似ることを「ベーツ型 の擬態」といっています。<br>
このような色をかえることは、蝶など多くの昆虫でもみられて多く知られています。<br>

スズメバチの縞模様ができるわけ

スズメバチの縞模様は、個体の体色に由来しています。スズメバチは一般的に黒と黄色の縞模様を持っており、これは個体の体の特徴的なパターンです。
スズメバチの体は黒色であり、胸部や腹部に黄色の縞模様があります。これは個体の身体を保護するための進化の結果であり、他の生物に対して「危険な存在」を示す警告の役割を果たしています。黄色の縞模様は鮮やかで目立つため、捕食者や他の動物にとっての「注意喚起」の役割を果たしています。
この縞模様は、スズメバチの体の表面にある特殊な細胞や色素によって形成されます。黒色の部分はメラニンと呼ばれる色素によって生成され、黄色の部分はカロテノイドと呼ばれる色素によって生成されます。これらの色素の存在と配置により、独特の縞模様が形成されるのです。
スズメバチの縞模様は個体の警戒色であり、他の生物に対して「私は危険だから近づかないで」というメッセージを送る役割を果たしています。縞模様はスズメバチの存在を周囲に知らせるため、個体を避けることが賢明です。

威嚇行動について
スズメバチは自身や巣を守るために威嚇行動を行います。威嚇行動は、他の生物や外部の刺激に対して警戒を示し、攻撃を回避するための手段です。
スズメバチの威嚇行動には以下のような特徴があります：
声を出す:
スズメバチは威嚇のために独特な音を発します。羽音や特有のバチバチとした音を出すことで、周囲に自分の存在や危険性を知らせます。
身体を振る:
スズメバチは威嚇する際に身体を前後に振ることがあります。これによって自身の大きさや存在感をアピールし、相手に危険を感じさせます。
舞い上がる:
スズメバチは威嚇のために巣の周りや自身の周囲を舞い上がることがあります。高速で飛び回ることや、低空飛行を繰り返すことで相手に脅威を与えます。
群れでの集団防衛:
スズメバチは集団で行動し、巣を守るために集団防衛を行います。巣に近づくと複数のスズメバチが集まって攻撃を仕掛けることがあります。

スズメバチの威嚇行動に遭遇した場合には、以下の点に注意して対処しましょう：
騒がないようにする:
スズメバチは突然の騒音や振動に敏感です。巣の周辺で大きな音を立てたり、物を振ったりすることは避けましょう。
巣の近くを避ける:
スズメバチの巣は通常、木の割れ目や壁の隙間などに作られています。巣の近くを通らないようにし、特に巣の入り口付近に近づかないように注意しましょう。
静かに移動する:
スズメバチに驚かせないように、巣の周辺を静かに移動しましょう。急いで走ったり手を振ったりすることは避けてください。
長袖や帽子を着用する:
スズメバチからの攻撃を防ぐためには、長袖の服や長いズボン、帽子を着用することが有効です。皮膚の露出を最小限にすることで、刺されるリスクを減らすことができます。

もしスズメバチに刺された場合は、速やかに安全な場所に避難し、刺された箇所を冷やすことや痛みを和らげるために氷や冷たい物を当てることが効果的です。刺された箇所が腫れや赤みがひどい場合やアレルギー症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。